「対位法」は、=(イコール)「フーガ」なのでしょうか?
「対位法」は、ルネッサンス期からバロック期末ごろに確立された作曲の技法です。
中世のオルガヌムから発展します。
「オルガヌム」は、
一本のメロディーの上に、もう一本のメロディーを平行に重ねることから始まった作曲の技法です。
「対位法」は、
「オルガヌム」がもっと発展した作曲の技法です。
「対位法」=「フーガ」と思ってしまうかもしれませんが、
「メロディー」と「メロディー」が、重ね合わされている技法のことですから、
必ずしも「フーガ(模倣対位法)」だけという訳ではありません。
一方、「和声法」と言う作曲の技法は、
「メロディー」と「伴奏」で出来ています。
普段、
「このコラール前奏曲は、対位法、和声法、どちらの技法で出来ているのかな?」
なんて思うことがあるのですが…。
以前、日本現代作曲家協会の会長近藤先生の講座を拝聴した際、
「対位法的に作ろうと思っていなかったのに、
結果的にそう聴こえる曲になった」
「対位法的に作ろうと思っていたのに、ちょっと装飾的にしたら、独立性が聴こえなくなった」
というお話を、先生ご自身の 作品例を鑑賞しながら伺い、
「そんなこともあるんだな」
「どんな曲でも、聴き方により対位法的に聴こえるし、その逆もあるんだ、聞き手次第だな。」
と、当たり前のことなんですけど、納得できました。(「対旋律」であるか「伴奏」であるかは、微妙、ということです)
「響きを持たせるための対位法は、古くから存在している」
という観点が、とても心地良かったことを覚えています。
皆さま、よい1日を。 オルガニスト長井浩美