パイプオルガン「ニムロッド」記念日・追悼

エルガーの「エニグマ変奏曲」は、作曲者が「親しい友人や家族」を曲に当てはめて作られた作品です。

演奏 http://music-stock.net/Nim/nimrod.mp3

そう言う意味では、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」と同じように 作曲者の遊び心から作られた作品、と言えると思います。

「エニグマ変奏曲」では、例えば第1変奏は妻のキャロライン=アリス、その他友人達、第7変奏はトロイト・グリフィス、第9変奏はイェーガー(ドイツ語で「狩人」。ニムロッド(ニムロテは旧約聖書の狩りの名手。)

「エニグマ変奏曲」は、もちろん一般の演奏会で場面を選ばず、普通に演奏される作品で、第9変奏はニムロッドは歌詞をつけてヴォーカルでもよく歌われます。

またイギリスで戦没者記念の際、王立軍楽隊によって演奏されることから、追悼の場面でも多く使用されるようになりました。

元々素晴らしい作品ですし、エルガーの家族や友人への愛情がこもった作品で、親しかった故人への思いにもふさわしいと個人的には思っています。

今はそのエルガーも家族も 皆この世には別れを告げ…と考えると、今は昔 全ての人のことにも思いが及びます。

バーバー「弦楽のセレナーデ」がアメリカでは同じような立場で使用されています。共に良い作品だと思います。

11月の第一主日には多くの教会で「永眠者記念礼拝」が行なわれています。(11/1が万聖節、11/2が万霊節)

エルガーの作品で、家族や友人・恩師への思いを馳せようと思います。

オルガニスト長井浩美

エルガー、妻のキャロライン=アリスの墓石は、エニグマの第7変奏「トロイト」のデザインで建てられた。