オルガニストのブログ 社会的背景 音楽家に不可欠なこと
こんにちは、オルガニストの長井浩美です。
「社会的背景」
英和女学院中高の3年生、4年生の社会科で面白い授業があり、以来、演奏をしていく上でとても感謝していることがあります。
授業の最初の5分程度を使って、一人づつ当番制で新聞記事を任意に選び、その社会的背景を発表する、という物です。年に2回程回って来ました。
私は、日本航空の民営化を取り上げた覚えがあります。
先生ともお話し、女学院生なりにニュースの背景・立ち位置について、感じるものがありました。
音大生になり音楽史の授業が始まると、より作品の背景として時代・立ち位置を意識するようになりました。
1.2年生では中世、ルネサンス、バロック、古典。
3.4年はロマン派以降〜現代。
その他、
日本音楽概論、
特殊音楽史(専攻楽器専門史)
もありました。
大学院の入試は、実技試験40分のほか
一般音楽史、
特殊音楽史、
原書購読(一般と専攻楽器)、
対位法(フーガを2時間で作曲)です。
特に大学院では、「論文」と「実技試験のプログラム」が結びついていないとなりません。
常に社会的背景を考えているようになります。
仕事をするようになると、レジストひとつ考えるにも 時代はつきまといます。
…そんなこんなで、
数年前に母校の演奏会で弾く機会を頂きました。
その社会の先生が裏方を担当してくださいました(もう教頭になっていらしたような…)。
礼拝堂の袖で先生と待機をしながら、
先生の授業が私の人生に欠かせないことの御礼を申し上げました。
懐かしそうに喜んで下さいました。
私にとってそれが最後の会話になりました。
あの時に御礼を申し上げられて本当に良かったと思います。
先生への感謝と共に、これからも時代的背景を踏まえた演奏をしていこうと思います。
ありがとうございました。