私が受難節に弾く奏楽曲

本日「灰の水曜日」。

本日をもって、4月4日のイースター前まで、レント(受難節・四旬節)の期間に入りました。

まずは、静けさのうちに始まり、切々と音が積み重なり感情が込み上げる「スターバト・マーテル」を弾きます。

「悲しみの聖母」です。

中世の詩の中でも、極めて心を打つものの一つと言われています。

静かに、不穏さをたたえて始まる曲頭が、受難節の始めに私が弾きたい理由の一つです。

途中の”ドヴォルザーク節”は、やはり流石です。

そして、パッヘルベルのコラール「ここにイエス、十字架にかかりたまいて」。

受難節中、全般に渡り使用できる定番中の定番奏楽曲です。

また、今年の受難節に特に弾いて行きたい曲は、「ヴォカリース」。

「怒りの日」から取ったとも言われるこの曲の冒頭。

「怒りの日」は疫病が流行った頃に取り入れられていました。

そして「アリオーソ」。

やはり、病いや死への思いが歌われています。

「すべては御心のままに」という言葉が心を打ちます。

それぞれの受難節の過ごし方のお役に立ちますように。

オルガニスト長井浩美