音楽史上、教会が作曲家の雇用主であった以降の世界

オルガニスト 長井浩美です。

音楽史において、教会が作曲家の雇用主であった時代が終焉を迎えてもなお、自由な管弦楽曲のなかで宗教的題材が息づいている。

そのような作曲の世界に希望を感じます。

カンタータやオラトリオ、レクイエム など初めから宗教的な目的で書いた管弦楽曲は、当然宗教的な内容なのですが、

そうではない、自由なオーケストラ作品のなかにキリスト教にかかわる題材を発見すると、知られざる宝物を見つけた気分になります。

例えば、レスピーギのローマ三部作や、マーラーなど。

海外のかたは、オーケストラの曲を聴いていても、ちょっとした旋律を見つけ、

「この旋律は、何々の聖歌だね」

とおっしゃるのですが、聖歌や讃美歌に馴染んでいない私達日本人はそこに気づかないで通り過ぎてしまいます。

そんなせっかくの人類の宝をオルガン曲や奏楽に取り入れて行けたら、と思います。

下の作品も有名ではありますが、舞台はシチリア島、イースターの朝の物語であることは、意外と知られてはいません。

教会のシーンも出てきます。