ピアノの方が気をつけるべき、パイプオルガンの正しい譜読み

私も10代の頃にオルガンの師匠に徹底的に直されたことなのですが、

フーガその他、多声で、あるパートが動いている時に他のパートの音は長く伸びている、ということはよくありますね。

(例)右手の外声部は四分音符だが、(同じ右手で弾く)内声部は十六分音符だ、というような。

ここが、ピアノの方は大体短いです。

「あと一瞬長く…」

ということが多いです。

ということは、ピアノの方から見たら、オルガニストの音の伸ばしは「記譜通り過ぎる」のかもしれません。

もしかすると「きっちり伸ばしても音は減衰するのだから意味がない」「サスティン・ペダルで伸ばせる」等、理由があるのかもしれません。

オルガニストが音を記譜通りに伸ばすのは、もちろん譜読みを正しく、ということはあるのですが、(オルガンの場合、時には音符が短いというだけでメロディーラインが変わってしまいますので)、

私は、作曲家が「音を長く伸ばすよう記譜している」ということは、「鳴らす管の本数」を増やしたいのだと思います。

単純に、「ド=一本」に対して、「ド+ミ=二本」となると、もうここでパイプ本数は二倍になるわけです。もし、「ド」を途中で切ってしまったら、「ミ」はただの一本になってしまいます。

オルガンの魅力の一つは音が伸ばせることですから、ぜひこの魅力を生かして、演奏していきたいと思います。