音大の音楽史の授業と、いわゆる「クラシック音楽」とは何か。
オルガニストの長井浩美です。
「クラシック音楽」という言葉は、実は専門家や音大生は使わないので、新鮮に感じます。
改めてクラシック音楽とは何をさすのでしょうか。
音大では、
1.西洋音楽史(1.2年は中世、ルネサンス、バロック、古典派)(3.4年はロマン派以降、現代まで)
2.日本音楽概論(古典芸能)
3.民族音楽概論(世界の民族音楽)
4.特殊音楽史(自分の専攻楽器)
の音楽史がありました。
今思い出して印象的なことは、民族音楽概論の授業での講義です。
私達が西洋音楽と呼び、いかにも音楽史の中心にあるかのように思っている音楽は、
たかだか数百年間に発展した、ヨーロッパのある限定された地域でおこっていた作曲法に過ぎない。
つまりこの我々が西洋音楽と呼んでいる物も、「民族音楽」の一つに過ぎない。
というものでした。
それで私の中の結論としては、
もし「クラシック音楽」とは何か、
と説明するとしたら
⚫︎場所: ヨーロッパで、
⚫︎時代: 中世終わり頃から現代に至るまで、
数百年の伝統を受け継ぎ、発展して来た高度な作曲の技・方法が存在する。
その作曲技法を用いて作った作品。
巨匠による後世に残る作品。
「どの楽器で演奏したか」に左右されるものではないので、
仮に、歌謡曲や、上記作曲技法以外の讃美歌などをオーケストラやパイプオルガンで演奏してもクラシック音楽の分野には入りません。
と結論付けました。
そんなこと誰も考えないかもしれませんが。
「クラシック音楽って、ベートーヴェンとか、オーケストラとか、そんな感じ…?」以上。のような。
皆様のなかでのクラシック音楽の定義はいかがですか。
まぁ、このブログの読者の方ですと、
「12音技法をクラシック音楽とは言わないんじゃないでしょうか」
みたいなこれまたマニアックなことをおっしゃるかもしれませんが、それはそれで私としては語り明かしたいですが。(笑)
風が強い夜ですね!
お仕事などで、やもなく外にいらっしゃるかたもおいでになるはず。感謝です。どうぞお気をつけてお帰り下さい。
それでは!
オルガニスト長井浩美