【音大生向け】和音進行と宇宙と重力。演奏家が意識していること。
オルガニスト長井浩美です。
音大生向けというほどではありませんが、
少しだけ和音について勉強した方へ。
「dominantからtonicに行くときには、gravityが働いている。」
という言い方をする音楽家がいます。(gravity =重力・引力)
「それは、地球が太陽に引かれるようなものだ」と。
- sub dominant 下属和音
↓
- dominant 属和音
↓
- tonic 主和音
と進行しますが、
それぞれ
- sub dominant=月
- dominant=地球
- tonic=太陽
に例えられます。
moon→earth →sun
和音記号Ⅳ(II) → Ⅴ →Ⅰ
和声記号
S →D → T
コードで書くならば、
F(Dm) →G→ C
イタリア語では、sub dominantは sotto dominante です。
より重力の力関係のイメージが湧きます。
和音進行に重力を感じるかどうかは人によると思いますが、
ただ、それによって生まれるフレーズ感というのはあるので、
dominant進行を見たら重力を感じでみると良いかもしれません。
下の動画では、SDT進行は0:36、1:54、2:57です。
0:36では、フレーズ感を感じられると思います。
1:54、私はこのまさに S →Dの箇所でレジストを足しています。更に鍵盤交代もしています。tonicへの強い引きを感じて頂けると嬉しいのですが。
逆に、2:57では、Sの部分でガラッとレジストを少なくしています。
やはり鍵盤交替をしています。はかなく引かれて消えゆく様を表現しています。
何かお役に立ちましたら幸いです。
それでは。
オルガニスト長井浩美